労働時間の管理が適正でないと債務が突然ふってきます! 

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人事・労務を通して地域産業の振興に貢献する
群馬県の社会保険労務士 大河内です!

さあ、本日もアウトスタンディングで参りましょう!!

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残業管理は何分単位が適正なの?

コンサルの依頼で事業所訪問をすると、時々こんな強気な発言をなさる事業所がございます。

「うちは15分単位で残業代をきっちり支払っています!」 ( ー`дー´) キリッ!

サービス残業を強いる事業所もある中で残業代をきっちりを支払っている。

これのどこが問題なのでしょう?

自信満々に応えるということは問題なし!とお考えのようです。

この事業所のように、事務処理の簡素化のために15分単位で残業を調整している会社がまだまだ多いように感じます。

またブログからのご相談でも、時々ございます。

でも、これは労働基準法に違反しているのです!

労働時間を切り捨てて計算しているということは、切り捨てられた残業代が未払いとなっているからです。

労働基準法第24条(要約)
賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない。

労働基準法第37条(要約)
使用者が、労働時間を延長し、又は休日に労働させた場合においては、その時間又はその日の労働について、通常の労働時間又は労働日の賃金の計算額の二割五分以上五割以下の範囲内でそれぞれ政令で定める率以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。

でも、何事も例外があるものです。

この残業の計算についての例外は、事業主の事務処理の簡素化に考慮して残業時間の1日単位での切り捨てはダメですが、1ヶ月単位なら30分未満の端数の切り捨ては構わないのです(昭和63年3月14日 基発第150号)。

認識の甘さから突然降りかかる債務!

最近までは「過払い金」の請求がにぎわっておりましたが、現在ではこの残業代の「未払い金」へとシフトしているようです。

この未払い残業代は労働基準監督署が是正勧告をすると過去2年分を1分単位で計算し直して未払い分を社員に払うよう命じられ、人数によっては経営を圧迫するような金額になることも予想されます。

しかし、まだまだこの残業代について認識していない企業が多く、最近では残業時間の管理不足から2年間さかのぼって2億円支払ったケースもございます。

もはや単純な認識不足では済まず、認識不足は大きなリスクになります。

急に債務が降ってくるんですから!

これも企業としては全く悪意はな、く適切に把握していると認識しているつもりであっても、適正に管理していない場合、社員や労働基準監督署から未払い残業の支払い勧告を受けることもござます。

しかも、時間管理が不十分なら請求された金額をそのまま支払うしかございません。

https://www.lcgjapan.com/pdf/lb01629.pdf厚生労働省:「賃金不払残業の解消に取り組みましょう」

企業が未払い残業代対策できること

では、企業側ができることは何でしょう?

それはまず労働時間を適切に管理できているか見直すことです。

少し古い通達ですが、厚生労働省からも「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関する基準」が公表されております。
http://www.mhlw.go.jp/houdou/0104/h0406-6.html厚生労働省:「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関する基準」

この内容を要約すると

  1. 何時から何時まで働いたのかの確認と記録
  2. 残業時間の管理は使用者が現認し確認、記録する
  3. タイムカード、ICカード等で客観的に記録する
  4. 記録は3年間保存する

となっております。

そのうえで、さらに注意すべきことがございます。

それは・・・

タイムカード等の記録時間がそもそも適正とは限らないことです。

過去の未払い残業の事例におきましても、タイムカードの退勤データとPCのログアウトデータが異なっていることに生じた未払い残業代の事例もございます。
また、友達をおしゃべりしてからタイムカードを打刻する場合も考えられます。

つまり、適切に管理するためには、実態に即して時間管理ができるよう社内で制度を調える必要があるのです。

その際、運用ルールは一方的に作るのではなく、社員全員が理解し、納得できるようにしないと、作られたルールは守られません。

ですから、社員を巻き込んでルール作りをすることが大事なんです。

何事も他人事ではなく自分事にしないと状況は良くなりませんから。

さらに、残業時間の把握については、内容と時間について上司の許可を得たうえでするようにして下さい。

そうすればダラダラ残業を減らすことができます。

これには別のメリットもございます。

それは、コミュニケーションです。

残業を申請許可制にすれば上司と部下にコミュニケーションが生まれます。

すると、残業がそもそも、

  1. 本人の能力不足によるものなのか?
  2. ボリュームが多すぎるのか?
  3. 人手が足りないのか?

 
など問題を把握することができますし、問題を把握することができればそれに対するアドバイスも可能です。

つまり、問題の見える化につながるのです。

これには管理の手間は増えますがそれ以上に組織風土の形成にはメリットになります。

残業するのに上司の許可が必要になるので残業するハードルが上がります。

すると時間内に何とか終わらせようと工夫するようになります。

また、本当に残業が必要なら許可制によりそこにコミュニケーションが生まれ、業務改善につながる可能性もでてまいります。

残業代の減らない一番の原因!

いくら残業を減らそうとしても、残業をしている人が頑張っていると評価されるなら残業は減らないのは当然です。

それには、給与は「時間」に対する報酬ではなく、「成果」に対する報酬であると意識を変える 必要がございます。

そうなれば残業せずに如何に成果を出すか?という考えに変わります。

すると、作業の効率化を考えるようになります。

例えば効率化を図るためには嫌な人ともコミュニケーションを図ろうとか、作業手順を見直そうとか。

しかし、残業を減らことを従業員にだけ強いてはいけません。

経費削減により業績が向上すれば業績手当を支給するなど社員にとっても残業削減に協力するメリットを示す必要がございます。

そうすることで制度改革は加速します。

本当に組織を変えたいのなら、理想の組織風土構築と矛盾がないようなシステムを考えることが重要です。

まとめ

労働時間の適正管理は単にリスクマネジメントのためだけではございません。

労働時間を適正に把握することで組織に貢献している人とそうでない人の不公平感の是正をはかることです。

それは従業員のモチベーション向上につながり、モチベーションの向上は生産性の向上につながります。

やる気のない人に高い(残業代も含めて)お給料を払うのではなく、やる気があり、能力がある人にお給料を支払うのは健全な組織の在り方です。

労働時間を正しく管理することは、企業にとっては負担が大きいかもしれませが、

負担以上に、企業の組織風土改善というメリットの方が大きいのです

感謝です!

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大河内延明
群馬県の社会保険労務士です。 お客様の思いを理解し価値あるサービスを提供致するため日々奔走中。企業と職場の明日を支えるため、人事、労務管理、給与計算、助成金、障害年金、立入検査、介護事業所の組織、処遇改善に秒速で対応しながら一度切りの人生を日々ズバ抜けた状態で過ごすためにブログを書いております。 詳しいプロフィールは こちら
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